抄録
特許出願の経過情報調査は、特許制度の目的である権利の存在あるいは権利化の状況を把握する重要な調査である。しかしながら、経過情報は調査結果の判断が難しいことが多く、調査方法が分からない場合もある。そこで経過情報に関連する事項を網羅的に解説した調査マニュアルを作成中である。基本的な知識として経過情報の基となる手続の概要、特許庁が保管する手続等の書類の実情、特許庁より提供される経過情報データを解説する。実際の経過情報調査に関しては現時点で利用されている各社の経過情報データベースをレヴューし、オンラインでの各種の調査の具体例と出力の読取り方を解説する。経過情報から審決や判決などの書面の探し方、さらに実際の手続書面の内容を見るための特許庁のファイルや包袋等の閲覧についても解説する。ここでは日本特許の経過情報調査の概略を説明するが、米国、EP,韓国等についても調査マニュアルの作成を検討している。