抄録
引用文献情報をもとに1,000件程度の特許を可視化する「サイテーションマイニング」について、米国特許で有効性を検討した。サイテーションマイニングは、日本EPI協議会における「日本特許情報に対するテキストマイニング」の検討過程で生まれたもので、可視化対象に含まれる2件の公報の類似度を、共通する引用文献の数と重要度から求め、類似する公報をスプリングモデルにより、適切な場所に配置する手法である。同一分野の日本公開公報のテキストマイニング処理と比較した結果、解析対象が複数のIPCセクションを含むような広い技術分野にまたがる場合はテキストマイニングが有効であるが、IPCサブグループまで絞り込んだ物品形状にかかわるテーマでは本手法が有効であった。テキストマイニングとサイテーションマイニングは相互補完の関係にある手法であり、状況に応じた使い分けも必要である。