抄録
商品開発ではニーズの把握が非常に重要であり,今後起こりうるブームのような将来的なニーズを予測する技術が益々必要とされることが予想される。本研究では,次世代商品ニーズの予測手法を確立することを目的とし,特に,技術的な側面からのニーズ予測に焦点を当てた。題材には身近な商品であるシャンプーを選択し,次のシャンプーブームについて検討した。分析対象には入手容易な特許情報を主に用い,費用・工数をかけずに分析可能な手法の確立を目指した。
今回,リンスインシャンプー,ノンシリコーンシャンプーなどの各年代に発生したブームについて,出願件数の経年変化に統計的な加工を加える手法を試みた。その結果,いずれのブームにおいてもブーム発生以前に前兆となるシグナルが確認された。この手法を用いて,様々な手法又はツールによって抽出したニーズ候補を評価し,次世代商品ニーズ群の選定を試みた。