抄録
自由に二次利用可能な形式でデータを公開し、その利用の促進を図るオープンデータの取り組みが広がりを見せている。日本政府においては、2012年に「電子行政オープンデータ戦略」が策定され、各種の取り組みが展開されているのである。政府CIOポータルの「オープンデータ100」には、オープンデータを活用したアプリケーションが36事例紹介されている。この事例数を見ると、日本では、オープンデータの取り組みは自治体も含めて広がりを見せているものの、その利用は必ずしも広まっている状況にはないと判断される。これはオープンデータとして公開されるデータの量は増加しても、その利用が広まっていないということで否定的な評価を下される要因になり得る。しかし、公共機関によるオープンデータについては、まずは公共データの公開に注力されているのであって、それだけではアプリケーションの開発などに直結せず、公開と利用を一旦は分けて考える必要がある。