抄録
現在日本の大学図書館向けに販売されているシステムのほとんどはRDBMSをベースにした製品である。しかしながら、会計処理や書誌コントロールに優れた製品が多い一方で、本当の意味で業務の省力化や利用者サービスに優れた製品はまだ少ない。大阪国際大学図書館では、2000年度に図書管理システムをRDBMS系の既製品に更新した際、少ない手間で最大限の効果を上げられるよう業務フローを根本的に見直した。更にデータ構造を詳細に調査した上で独自にシステムのカスタマイズを進めた。結果的に、更新前と比較して見た目の変化だけでなく、デジタル情報提供サービスを中心に図書館の付加価値向上を実現することができたが、それにはグループウェアを応用した情報の共有とそれを活用する内部的な仕組みを立ち上げたことに拠る部分が大きい。本報告ではそれらの具体的手法と現時点で残されている問題点を報告する。