抄録
材料の分野は、ミクロからマクロ、無機物から生物まで広範囲にまで広がっているが、個々に専門分野を形成し、その専門はさらに細分化されている。これからは、専門を越えた情報の共有が、新たな価値の創生には不可欠となるであろう。しかし、それぞれの分野での用語の定義や概念がことなることが多い。ここでは、金属材料分野のデータを共有するための手法として最近確立しつつあるXML技術を用い、いくつかの金属材料データベースからクリープデータを検索し、そのデータをクリープ寿命予測解析プログラムで共有する例を示す。すなはち、複数のデータベースのデータを1つの解析プログラムでXML技術を用いて共有させることを行った。この例によって、XMLによるデータ共有の問題点を明らかするとともに、クリープ寿命予測解析の結果をXML記述して知識データとして集積機能を有するシステムの設計概念と現状を紹介する。