情報ネットワーク・ローレビュー
Online ISSN : 2435-0303
論説
声の人格権に関する検討
荒岡 草馬 篠田 詩織藤村 明子成原 慧
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2023 年 22 巻 p. 24-44

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抄録

本稿は、「声の人格権」という新たな権利概念について検討するものである。近年、音声合成技術が急速に進歩しており、関連する製品やサービスも数多く登場している。これらの技術が誤った使い方をされた場合、人の声を無断で再現し、本人の意に反した発言をさせるなどの運用がなされる危険性があり、既に国内外で問題となった事例もある。従来、我が国において、人の容姿に対しては「肖像権」という人格権が認められてきたが、人の声に対して人格権を認めた判例はなく、学説においても十分な議論が蓄積されていない。本稿は、そのような「声の人格権」の議論を惹起することを目的とする。

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© 2023 情報ネットワーク法学会
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