人口減少下で国内市場の縮小が見込まれる一方,世界の飲食料市場は拡大しており,日本の食文化を産業として体系化し,持続的な成長につなげる必要がある.本稿は,食文化産業を「食を文化的資源として社会的・経済的に価値化する産業」と位置付け,その構造・特性・規模を整理するとともに,日本の食文化の強みと食文化産業の課題を明らかにする.さらに,日本の稼ぎの柱となる食文化産業のポテンシャル発揮,外食を起点とした価値創造や日本食・食文化のリデザインなどの政策的視点を提示する.加えて,GIや商標等の知的財産の活用により,文化的価値の保護と産業的発展の両立を図る必要性を指摘する.