医療
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Cup法による喀痰中抗生物質濃度測定
第2報 Ampicillin濃度測定法の検討
本間 威長谷川 重雄諸熊 幹雄太田 光夫高谷 勝正
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1975 年 29 巻 12 号 p. 1199-1204

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抄録
喀痰の処理方法による喀痰中Ampicillin濃度への影響と, Ampicillinを投与した呼吸器感染症患者の喀痰中濃度の推移を検討した.
1. 喀痰を種々の方法で処理した検体のAmpicillin希釈曲線は, いずれもリン酸緩衝液を用いた標準曲線と異なるが, 喀痰をpH7.0リン酸緩衝液で2倍希釈し遠沈後の上清の希釈曲線が標準曲線とほぼ一致した.
2. Ampicilljnを含まぬ喀痰でも阻止円が形成されるが, 検体を80℃7分間加熱すると阻止円は消失した.
3. 膿性喀痰と粘液性喀痰では喀痰の性状によつてAmpicillin希釈曲線は異なる.
4. 臨床例では, 喀痰中Ampicillin濃度は喀痰量の減少, 喀痰性状の改善によつて低下する. また喀痰中濃度は膿性喀痰で高く, 膿性部分が減少するにつれて低下する傾向を示した.
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© 一般社団法人国立医療学会
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