医療
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圧差別胆管造影法によるRadiomanometryの試み
伊藤 新一郎椙原 美昭中田 俊則朝永 良介川嶋 望
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1975 年 29 巻 12 号 p. 1205-1209

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抄録
術中及び術後に3段階の注入圧で直接胆管造影を実施し(低・中・高圧造影), 肝内胆管造影及び十二指腸造影度, 膵管逆流像を検討した. その結果低圧造影時十二指腸が造影されなかつたり, 肝内胆管が十二指腸に先行して造影される症例は総胆管内及び末端に異常があつた. 膵管逆流豫が低圧造影時5cm以上得られた症例は, 慢性膵炎が存在したが, 逆流像の有無よりも膵管の形態学的異常を重視すべきことを強調した. その他注入圧と注入流量との関係を検討すると(圧―流量率曲線), 曲線は直線化するものと, 時計方向及び反時計方向に回転する曲線とがあり, 直線の傾斜より加藤らの方法で総胆管末端抵抗値を計算し検討した(正常15±9). また曲線の得られた症例では, 総胆管内及び末端に異常を認めた. なお検査前後2回残圧を測定したが, 正常範囲は107±46mm H2Oであつた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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