抄録
最近2例のSick sinus syndromeにペースメーカー植え込みを行い良好な結果を得た.
本症に対するペースメーカー植え込みの適応として, 我々は薬物療法が効果なく, (1)Stokes-Adams発作のあるもの, (2)洞結節以下の刺激伝導障害を合併するもの, (3)Bradycardia-Tachycardia syndrome, (4)心不全のあるもの, (5)狭心症のあるもの, (6)Sinus-node recovery time(SRT)が著明に延長しているものなどを考えている.
SRTの測定は心房ペーシングの頻度, 時間など, 考慮すべき多くの問題があるが, 本症診断上の補助的手段としてのみでなく, 臨床的重症度を決める手がかりを与えるものとして, 現在検討中である.