医療
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内因精神病(主として精神分裂病)病棟の再編に関する試論
―国立武蔵療養所での経験から―
堀田 直樹
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1976 年 30 巻 4 号 p. 317-322

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抄録
国立武蔵療養所の内因疾患病棟の現状をみると, 社会復帰の見込みの少ない院内寛解者によつて病床を占められ, 地域社会や列来活動からの入所治療の要請に対応できないでいる. 私はこの2年間慢性閉鎖病棟を治療病棟化し, そこに入所治療する患者を, 当療養所の位置している小平・東村山市地区に限定し, その管轄の保健所の嘱託医になつて, 地域医療機関と連繋をとりながら活動してきたが, この経験をもとにして次のごとく結論した.
院内寛解している長期在所者に対してはパラメディカル職員の生活指導・レク療法・作業療法などによる働きかけを通しての関与を密にし, 病棟を生活の場としてとらえていくのが望ましい. そして急性病棟の数を増やし, 各々の病棟に担当する地区を決めて, その地区の入所治療希望者を入れ, その地区の保健所などと連繋して治療の継続性, 効果的で適切な治療を目標にして活動することにより, より大きな効果をあげ得るものと考える.
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© 一般社団法人国立医療学会
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