医療
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勤労婦人の健康管理
―主として妊娠・出産に関する調査に関して―
鈴木 三郎渡部 正臣
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1976 年 30 巻 5 号 p. 393-399

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抄録

勤労婦人の妊娠, 出産に関する調査を行い, 勤労妊婦の健康管理について二, 三の知見を得たのでその大要を報告する.
まず, 勤労婦人では妊娠中毒症は31.2%, 流早産徴候29.4%, 貧血44.3%と非勤労婦人の各々の19.4%, 19.4%, 41.6%に比べ頻度が高い.
更に早産10.5%, 前早期破水15.1%, 微弱陣痛9.8%, 遷延分娩14.4%, 異常出血9.4%, 低体重児7.8%と, 非勤労婦人のそれぞれ9.5%, 5.6%, 1.7%, 8.9%, 3.3%, 5.6%に比べ高率である.
また疾病別の悪い条件としては, まず妊娠中毒症では35才以上, 理, 美容師, 工員, 深夜勤, 中腰作業, 高温. 次に流早産の徴候では35才以上, 理, 美容師, 階段の昇段, 深夜勤, 中腰作業, 高温及び冷房. 更に低体重児は, 理, 美容師, 保母, 店員, 超過勤務, 深夜勤, 中腰作業, 通勤時の混雑, 階段及び自転車通勤者に頻度が高い.
以上のことから勤労妊婦は, 個々の実情に応じた適切な措置及び保健指導がなされることが必要である

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© 一般社団法人国立医療学会
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