医療
Online ISSN : 1884-8729
Print ISSN : 0021-1699
ISSN-L : 0021-1699
晩期妊娠中毒症に関する臨床的考察
古賀康 八郎安部 宏津田 裕文内野 稔衛藤 浩三布谷 弘光井手 信河村 勝之桝本 隆太大隈 良貴愛甲 康黒川 篤一郎
著者情報
ジャーナル フリー

1976 年 30 巻 5 号 p. 420-427

詳細
抄録
1)最近経験した妊娠中毒症は総数145例で, うち重症例17例, 特殊型5例, 後遺症20例である. 2)重症型, 特殊型の約半数は急患入院で, 妊婦管理の不徹底が示唆された. 3)後遺症は軽症の4.9%, 重症の58.8%, 特殊型の80%にみられ, 分娩後管理の重要性が認められた. 4)新生児センターにおいて児管理を要した症例は軽症型7例, 重症・特殊型8例, 計15例で, 低体重出生児, SFD, 低血糖, 低Ca血症などが注目された. 5)母体死亡は無く, 児死亡は6例で周産期死亡率は41.1であり, 児死亡原因は必ずしも明確でないものが多い. 6)特殊型5例の内訳は子癇1, 肺水腫1, 常位胎盤早剥2, 脳出血1で, 臨床的に極めて示唆に富む症例と考えられた. 7)中毒症における胎児胎盤機能を把握する目的でEstriol値を連続的に測定した結果, 重症型ではほとんど15mg/dl以下で, 且つ漸次低下の傾向を示し, HPL値においても興味ある成績を得, 児の予後と重要な相関関係が認められた
著者関連情報
© 一般社団法人国立医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top