2023 年 79 巻 20 号 論文ID: 23-20054
近年,コミュニティバスからタクシーや自家用車を活用した個別輸送サービスへの転換を図る自治体が増加しているが,サービスの採算性と利便性を同時に確保することは容易でなく,現状のままでは維持できなくなる状況も見受けられる.本研究では,それらの課題解決のために,タクシーとボランティア輸送を一体的に運営する公共交通サービスの仕組み「準交通空白地有償運送(仮称)」に着目し,同サービスの社会的受容性を把握するため,WEB アンケート調査を行い,自動車利用者がドライバーを引き受ける条件について分析した.その結果,ドライバーへの報酬や同乗者との関係性等がドライバーの参加意向を高めるために重要であり,移動目的や個人属性,シンパシーとコミットメントがドライバーの参加意向に影響を及ぼすこと等の知見を得た.