抄録
薬物アレルギーには, シヨツク型, 蕁麻疹型, 発熱反応, 中毒性皮膚炎, 肝炎, などなどのいくつかの型がある. しかし本邦では薬剤性エリテマトーデスは少ない. この薬剤性エリテマトーデスの検討はSLEの成因について何らかの示唆を与える可能性があるなど興味ふかい.
薬品アレルギーの場合, 薬名Coupling赤血球のクームス陽性となるものと, Brovalinの場合ではG-6-P・Dが陰性化するものとある.
ここではLE因子陰性のエリテマトーデス様症例, 薬品によるAIHA, 中毒性皮膚炎でクームス陽性の例を述べた. そして薬品によるクームス陽性となることは, 薬剤がAIHAの一つの原因となるものと考えている.