過去11年間の当病院内科に入院したSLE33例, PSS14例について, 心病変特に臨床所見について調査した. その結果は次のごとくである.
1) 心胸比55%以上の者はSLEでは37.5%, PSSでは36.4%であり, 共にかなりの高率に心拡大が認められた.
2) 心電図に異常を認めた者はSLEでは, 60%, PSSでは71.4%であつた.
3) 心外膜炎を認めた者はSLEでは9.1%, PSSでは1例も認められなかつた.
4) 心雑音を認めた者はSLEでは12.1%, PSSでは35.7%であつた.
以上のごとく, SLE, PSSともに諸家の報告と同様に循環器症状が高率に認められた. 最後にSLE, PSSの症例を2例ずつ呈示した.
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