抄録
胆嚢炎および胆石症は広く一般に知られている疾病であり, 外科的治療の対象となるものが少なくない. しかしAdenomyomatosisは臨床的な所見はこれらと類似のものであるが, 術前に見出されることは少なく, 胆嚢炎または胆石症の診断の下に手術を行い, 摘出した胆嚢の病理組織学的検索の結果診断が確定する場合が多い. また本症には胆嚢炎や胆石症を合併している場合も多く, 術前診断をそれら疾病として治療が行われることもやむを得ないものと思われる.
術前の胆嚢造影が確実に胆嚢陰影を描出している場合, 詳細に観察すると本症を見出し得ることもある. 我々は本症特有の胆嚢陰影を認めた症例に対し手術的に胆嚢を摘出し, 病理組織学的な所見を造影所見および術前の経過について検討を試みた.