医療
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31 巻, 2 号
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  • 若松 栄一
    1977 年31 巻2 号 p. 105-111
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 田口 薫, 滝本 洋司, 堀部 邦夫, 金城 孝, 赤木 功人, 越野 兼太郎, 佐藤 武材
    1977 年31 巻2 号 p. 112-118
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    脳血管撮影時における生理学的な影響に関しては, いまだ不明な点が多い. 脳血管撮影時に, 脳波と同時にECG, 注入時間, 伝播時間, 頸動脈圧, 頸動脈脈波を測定すると, 脳波には一過性のFlattening, Slowing, Low voltage fastなどがみられ, これらと脳血行動態との相関について検討した. 注入圧により脳血管が急激に拡張され, つづいて脳血管の収縮がおこると考えられ, この時期とFlatteningの時期が一致すると思われる. 一方注入時の血流はほとんど造影剤のみとなり, Hypoxemiaの状態になつており, 脳血管収縮の影響と重なり, 脳はHypoxiaの状態になつていると考えられ, この時期とSlowingの時期が一致すると思われる. 注入直後のVagotoniaと脳波変化とは直接関係はないと思われる. CAGとVAGの間に血行動態の差が認められたが, 灌流領域の差と造影剤によるVasodilatationが考えられる.
    脾臓の膿〓について
    脾膿瘍について剖検例と臨床例について, その頻度, 死亡原因, 起因菌, 診断, 鑑別診断, 治療, 合併症などについて記している.
    1952年から1974年の間にJohns Hopkins Hospitalで剖検された症例は16,199件で, このうち脾膿瘍は23例(0.14%)であつた. 抗生剤出現前の同疾患の頻度は0.41%で, 抗生剤出現後は1/3に減少している. 各症例の直接死因は敗血症で, 剖検によつて発見された膿瘍は一般に多発性である. すなわち23例中18例(78%)は多発性であつた. 膿汁の培養ではStaphylococcus, Candida, Nacardia, Pseudomonasがみられた. この脾膿瘍は免疫学的に防御機構の減弱した患者にみられ, 23例の91%は白血病, 膠原病, 悪性腫瘍, 糖尿病, 慢性消耗性疾患を有していた.
    1952年から1974年の間に同院で臨床的に脾膿瘍の診断がつけられたものは5例あり, これに文献上の22例を加えた27例について臨床例として検討した.
    臨床所見は発熱, 左上腹部痛, 脾腫大, 胸部X線像で左下肺野の異常影, 白血球増多が主なものであるが, その診断は極めて困難で, 膵および胃の膿瘍, 消化管病変の穿孔, 横隔膜下膿瘍などとの鑑別を要する. 治療は抗生剤の投与と脾摘である. 27例のうち24例は脾摘出術をうけ, 3例は脾切開術をうけている. 膿瘍内容物の細菌学的検査ではStrheptococcus, Staphylococcus, Salmonella, Coliformなどであつた.
    合併症としては腹腔内, 消化管内, 胸腔内, 気管支内に破裂することがあり, また結腸閉塞, 腹壁外への瘻孔形成を来すことがある.
    臨床的に診断のつく脾膿瘍は一般に孤立性で巨大であることが多い. (表5, 文献43)
  • 松岡 寿夫, 宮川 兜, 大久保 清一郎, 金城 浩
    1977 年31 巻2 号 p. 119-126
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1971年1月より1975年5月までに, 消化性潰瘍に対する手術は107例で, そのうち迷走神経切離術は37例行われた.
    消化性潰瘍に対する迷切術を広範囲切除術と比較するために, 術後成績を術式により胃切除術の行われた胃潰瘍群(35例), 及び十二指腸潰瘍群(35例), 全迷切兼幽門洞切除群(18例), 選迷切兼幽門成形群(9例)にわけ検討した.
    また遠隔成績をアンケートにより回答の得られた75例につき検討し, 次の結果が得られた.
    (1) 胃潰瘍に対しては胃切除術で十分であり, 十二指腸潰瘍に対しては減酸効果の不安定のため, 何らかの型で迷切を加えた手術の必要がある.
    (2) 選迷切兼幽門成形術は減酸率は低いが, 術後の自覚症状の改善が極めて著明である.
  • 大村 一郎, 山崎 芳徳, 小林 康記, 三木谷 政夫, 香川 和徳, 鼻岡 浩, 小泊 好幸, 日野 理彦
    1977 年31 巻2 号 p. 127-131
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    健康成人, 看護学院の運動部員, 非運動部員, 高校女子バレー部員, 長距離マラソン選手の血清CPK値を測定した.
    この結果1)血清CPK正常値は男7.6±6.0u, 女子7.4±3.7uである.
    2)以下いずれも安静時のCPK値であるが, 看護学院の3年目運動部員では, 11.6±4.2uであり, 高校女子バレー部員では22.0±10.2uであつた. 実業団所属の長距離マラソン選手では, 39.5±20.7uであり, 運動経験が豊富なもの程安静時血清CPK値も高値であつた.
    3)次に運動前後のCPK値を見ると, 高校女子バレー部員で2時間の激しい練習の直前直後でのCPKの変動は, 直前19.1±9.2u直後は, 25.0±9.8uであつた. マラソン選手で1時間の練習前後でのCPK値はほとんど変動が見られなかつた. 4)以上の結果から指のバチ状化: Shadowgraphの分析による定量的観察
    バチ指の量的表現について, これまでPlethysmography, Unguisometer, Spherometerなどを用いての方法が行われてきたが, 1967年Reganによつて表現のParameterとしてはHyponychial angleが最良であることが示され, 著者らは1970年にBentleyとClineによつて発明されたShadow-graphを用いて各極疾患について, これを測定した. 疾患はCystic fibrosis 50人, 気管支喘息25人, 先天性心疾患25人で, チアノーゼ群5人, 非チアノーゼ群20人, 健康人25人で, 結果は正常のProfile angleは168.3±3.7°, Hyponychial angleは180.1±4.2゜で, Cystic fibrosisでは, これらの角度が179.0±6.2゜, 194.8±8.3゜と上昇, 気管支喘息は170.9±4.1゜, 185.4±6.4゜でわずかに上昇, 先天的心疾患では179.7±4.8゜, 195.5±2.5゜でCystic fibrosisによく似た上昇を示したが, チアノーゼのない先天性心疾患はコントロールに近い値を示した. Profile angleもHyponychial angleともにコントロール群, Cystic fibrosis群において年令と性に関連が認められた. 以上のようにProfile angleとHyponychial angleはバチ指に関係した疾患の鑑別に有用な方法であることが示された. なお著者は, WaringらがDigital phalangeal depth/Depth at the digital interphalngeal joint (DPD/IPD)が, バチ指を表現するのに正確な方法であるとしていることを述べている.疾病診断に際し, CPK値の高値をみた時には, スポーツ歴を聞くことも忘れてはならない.
  • 小倉 知治
    1977 年31 巻2 号 p. 132-134
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    早期診断の発達とともに, 子宮癌の手術療法においても, 摘除範囲の縮小される傾向にあるが, 進行癌もまだまだ著しくは減少していない. 他方放射線療法の発達もめざましいものがあるが, 各症例についてその放射線感受性を判定することは必ずしも容易でない.
    これらの状況下において, 子宮癌の手術療法が現在どのように行われ, その成績がどの程度に向上しているかについて, その概要を記載する.
  • 宇都宮 利善, 小田桐 重遠, 村上 勝, 呂 俊彦, 大西 英胤, 植村 剛, 富田 涛児, 丸谷 巌, 遠山 隆夫, 村山 憲永, 中山 ...
    1977 年31 巻2 号 p. 135-141
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    末期進行大腸癌の延命効果向上のために, 昭和50年12月末までの5年間における切除不能大腸癌57例に検討を加えた.
    1) 切除不能大腸癌は男子に多く, 70才以上の高令者に多い. 癌の占居部位別では直腸, S状結腸, 盲腸に多い.
    2) 平均病悩期間は5.8ヵ月で切除例よりも長く, 初発症状は便秘, 下痢などの便通異常を訴えるものが多く, 切除例における排便時出血, 下血が多いのに比して対照的である.
    3) 外科処置後の予後は造瘻術が良好であり, 腸吻合術は不良である.
    4) 術後治療における化学療法の1年生存率は25%である. 放射線療法には36カ月の生存が1例に認められた.
    5) 術後の化学療法はMMC, 5FUを中心に行われたが, 単独療法よりも多剤併用療法の成績がすぐれており, 投与法は動脈内注入法に期待がもたれる.
    転移性胸水の電子顕微鏡による細胞学的検査
    転移性胸膜炎による63例の胸水中の細胞を, 電顕的に検査し, 腫瘍細胞と他の細胞との判別, 腫瘍細胞の特徴から原発巣の推測についての検討が行われている.
    胸部の癌患者の胸水中の細胞は, 大きな中心空間をとりかこむコロナを形成し, 沢山の橋小体により結ばれ, 短い真すぐな微細絨毛が細胞の周辺にあり, いくつかの分離した細胞は全く周辺のみに微細絨毛を持つていた. 細胞質には濃い分泌顆粒を含んでおり, 細胞内空間は微細絨毛で満たされ, 接面部における境界は管状構造のように認められた. 細胞質は多数のミトコンドリアを含み, しばしば変質し基底糸の断片とゴルジの槽を含んでいる. 脂質はしばしば固定により流出し, 小さな細胞内空胞は微細絨毛によつて縁どられ, 濃い産生物を含んでいる. 細胞質に隣接して分泌顆粒が認められた. その他消化管原発の癌の胸水中の細胞の特徴や膵癌の転移における特徴などが同様に述べられている. 腫瘍細胞とよく誤認されるものに, 慢性胸水における中皮細胞によるマクロフアージがあるが, 長く融合した不整の偽足が悪性細胞の微細絨毛と区別される. また慢性胸水の中皮細胞もむずかしいが, 分泌腺が不整の核はなく, 細胞封入体や細胞内空胞を示さない.
  • 佐々木 廸郎, 米川 元樹, 菅 優, 志智 重之, 宇根 良衛, 荻田 征美, 番場 敏行, 市川 健寛
    1977 年31 巻2 号 p. 142-145
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    我々の胃癌合併切除51例を胃癌取扱い規約に従つて検討した.
    組織学的に本術式が有意義と認められたのは29例(57%)であつた.
    その中で, 合併切除をしたことで治療手術になつたものは6例で, その5例は限局発育型のボルマンII型であつた.
    胃癌の手術中に, 他臓器合併切除を必要とする程の進行癌は, 他にも治療手術を妨げる因子が共存していることが多いが, それでもなお, 限局発育型の癌では思いきつた合併切除を行つて長期生存を期すべきであると考える.
  • 井田 時雄, 村山 鉄郎
    1977 年31 巻2 号 p. 146-150
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    泌尿器科領域における悪性腫瘍のなかで, 膀胱腫瘍は前立腺癌とならんで最も多い疾患である. 我々も昭和40年5月より昭和50年4月までに58例の膀胱腫瘍症例を経験した.
    膀胱腫瘍58例の性別比は3.8:1で男子に多く, 年令分布も60才代に最も多い. 初発症状としての血尿は, 87.9%に認められた. 腫瘍の細胞型分類では移行上皮細胞型が92%を占め, 扁平上皮細胞型は3例にすぎなかつた. 悪性度, 浸潤度をBroders及びJewettの分類に従つて分類した結果, Low grade 64.8%, Low stage 82.5%とLow grade, Low stage群が多く, 諸家の成績と比較して特異的であつた.
    膀胱腫瘍に対する手術適応は, 表在性腫瘍にはEndoscopic operationを主体とし, 深部浸潤性腫瘍には膀胱部分切除術及び全剔除術を実施している. 我々の症例ではLow stage群が多いためEndoscopicに処置する機会が多かつた. 以上膀胱腫瘍58例の臨床統計的観察を若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 吉田 寿男
    1977 年31 巻2 号 p. 151-154
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    昭和19年12月28日遊撃戦士としてブイリピンに派遣され, 任務のために闘いぬいて, 昭和49年3月帰還した日本兵士小野田寛郎56才は高度の歯槽膿漏症と咬耗症に罹患していた.
    その歯の状態, 咬合の状態について記し, 歯牙のX線像所見を示し, それに施した歯科的治療について述べる.
    なお, 島における生活, 特に食物とその摂取の仕方, 歯の清掃法などと歯疾罹患との関係を考えてみる.
  • 船木 治雄, 大田 早苗, 神谷 直紀, 保阪 茂文, 渋沢 喜守雄, 小出 桂三, 井上 昇, 菱田 明
    1977 年31 巻2 号 p. 155-160
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    第III度の先天性肺動脈狭窄に慢性腎不全を合併した30才の男子の症例に, 開心術を行い, 心不全症状のみでなく, 慢性腎不全の所見もかなり改善された体験を得たので報告する.
    この症例は, 術前, NYHA第III度のもので, 右室-肺動脈の収縮期圧較差が116mmHg, 尿素Nが45~87mg/dl, クレアチニンが4.4~10.7mg/dl, クレアチニン・クリアランスが15ml/minであつた. また, ラシツクス1錠/日, ジギトキシン0.05mg/日の投与で, どうにか, 1日の尿量を1,000ml前後に維持できた症例である.
    開心所見では, 直径約5mmの弁狭窄にろ斗部の狭窄を合併していたので, 交連切開に加え, 肥厚したろ斗部の心筋を約7g切除した.
    術後, 右室-肺動脈の収縮期圧較差は18mmHgに下降し, 尿素-N, クレアチニン, クレアチニン・クリアランスなどは, それぞれ, 33.4mg/dl, 3.7mg/dl, 19ml/minと改善され, 強心剤, 利尿剤を用いずに, 尿量を維持できるようになつた.
  • 塩崎 久弥, 川原田 力也, 辻田 悦治, 田中 惇, 紀平 泰男, 井上 詔可, 高崎 浩
    1977 年31 巻2 号 p. 161-163
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    我々は, ここ1年の間に意識混濁で救急外来に運び込まれ, 診断に苦慮したEPN中毒とDDVP中毒の2症例を経験し, これらの臨床的, 病理学的所見を報告した. 自験例を顧みて意識混濁にて来院した患者を診た時, 患者の臨床病態を十分把握するとともに急担農薬中毒症のあることを考慮に入れつつ, 少しでも疑いがもたれる場合には, 直ちに救急処置を施す必要があることを訴えた.
  • 石山 和夫, 木村 忠, 酒詰 文雄, 伊藤 綏, 田村 久昌, 加島 弘, 栗林 宣雄
    1977 年31 巻2 号 p. 164-168
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    胆嚢炎および胆石症は広く一般に知られている疾病であり, 外科的治療の対象となるものが少なくない. しかしAdenomyomatosisは臨床的な所見はこれらと類似のものであるが, 術前に見出されることは少なく, 胆嚢炎または胆石症の診断の下に手術を行い, 摘出した胆嚢の病理組織学的検索の結果診断が確定する場合が多い. また本症には胆嚢炎や胆石症を合併している場合も多く, 術前診断をそれら疾病として治療が行われることもやむを得ないものと思われる.
    術前の胆嚢造影が確実に胆嚢陰影を描出している場合, 詳細に観察すると本症を見出し得ることもある. 我々は本症特有の胆嚢陰影を認めた症例に対し手術的に胆嚢を摘出し, 病理組織学的な所見を造影所見および術前の経過について検討を試みた.
  • 飯倉 洋治, 奈須 安江, 内海 みよ子, 西本 恵子, 伊藤 脩徳, 金光 武彦, 高橋 紀久雄
    1977 年31 巻2 号 p. 169-173
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    喘息児が運動した場合, 喘息発作を起こすことがあり, この現象をExercise-Induced Asthma (EIA)として喘息児指導の際重要視されている. しかし, 今までの報告では主にRunningに関するもので, 冬季スポーツと喘息児の関係報告はみていない. そこで, 日常診療時, スキーに行つてよいかという問いに対する一つの目安が必要と考え, 喘息児とスキーの問題にとりくんでみた. 対象は6才~15才の喘息児30名(男27名, 女3名)で, 2泊3日のスキー合宿を行い, 肺機能(PFR)と臨床症状を検討した. その結果, 30名中7名(23.3%)がスキー合宿中喘息発作を起こした. しかし, 発作に対して加療した者は3名で, 他の4名は喘鳴は聴取されるが, 日常生活は全く非発作児らと同じであつた. PFRの変動を経時的に追つた結果, スキーで滑る(スキー遊び)時間が午前中2時間の場合, 肺機能がスキー前より改善される傾向であつたが, 夕方まで滑つた場合肺機能の低下がみられた.
  • 大西 静栄, 藤川 達明, 白井 妙子, 島田 澄子, 柴崎 慎一
    1977 年31 巻2 号 p. 174-178
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    重障児の食餌について考える場合, しばしば栄養学的なことや, 形態的なことのみが問題とされ, 彼らの嗜好, また調理面, 味付けなどが等閑視され勝ちである. しかし食餌にとつてこれらを無視することは出来ないことであり, 殊に重障児にとつてこの時間が楽しいものでなければならない. このような食餌を給することを目的として, 昭和47年と48年の2回にわたつて調査を行つた. その結果, 重障児の嗜好は一般の子供たちと同じであること, 形態によつては折角の味付けが消えてしまうこと, また介助者を通してされる報告には, しばしば彼らの意見が強く反映されることなどが判つた.
    クローン病における細胞性免疫と伝達因子
    クローン病における細胞免疫の低下の有無と伝達因子として知られるリンパ球抽出物が, これらの患者においてT細胞機能を回復することが出来るかどうかが検討された.
    症例はステロイドまたは免疫抑制剤を用いてない, 組織学的にクローン病と診断された13例で,伝達因子の注射の前後にツ反が施行された. 13例中12例が陰性で, 伝達因子を与えられた後3例が陽性化を呈した. 125I還元ウリジンのアプティクにより測定されたPHA刺激に対するリンパ球反応は, 4,415±3,712cpm/1,000リンパ球で, 20例の健康成人の10,330±3,210cpm/1,000リンパ球より有意に低く, 伝達因子を受けた後では10,170±5,990cpm/1,000リンパ球に上昇した.
    以上の結果よりクローン病においてはT細胞機能の低下があり, 伝達因子の投与においてPHA刺激に対する反応や, ツ反の変化で細胞性免疫の回復が認められた.
  • 福田 正隆
    1977 年31 巻2 号 p. 179-185
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 脳腫瘍―天幕下腫瘍
    与那原 良夫, 佐々木 由三, 高原 淑子, 三神 柏, 泉 周雄
    1977 年31 巻2 号 p. 186-187
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1977 年31 巻2 号 p. 188-189
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
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