医療
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脳内出血の外科的治療
三神 柏田仲 基宏泉 周雄
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1977 年 31 巻 3 号 p. 212-217

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抄録
13例の高血圧性脳内出血患者に血腫除去と減圧術を行つたが, 8例61%の救命率が得られた. 出血部位, 手術時期, 年令と術後経過を検討する.
1. 皮質下出血, 外包被殻出血は血腫除去の対象となり, 良い成績が得られた. 視床脳室内出血は脳内水腫に発展するためドレナージを試みたものもあつたが救命率が低く, 社会復帰した例は得られていない.
2. 手術時期は出血後4-6時間以内が良く, 回復も十分なものがあつた. 8病日以降の安定期の手術は術後死亡率は明らかに減少するが, 欠落症状の回復の点では, 保存的治療によるものと差が少なくなる.
3. 年令的には60才をこえると併発症も増加するため良い状態に回復する率は低下する.
4. 以上のことから皮質下出血, 外包被殻出血で年令の若い症例は積極的に早期手術を行う必要があるが, 視床脳室内出血には手術方法・術後処置に更に研究を要すると思う.
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© 一般社団法人国立医療学会
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