医療
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心室中隔欠損症の自然閉鎖
陳 世礼有光 克次郎小田 忠文井町 恒雄荒木 明子水野 裕雄
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1977 年 31 巻 3 号 p. 268-272

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抄録
VSDのかなりの症例が自然閉鎖することは今日一般に認められている事実である.
我々は昭和42年初めから昭和50年末までの8年間に当院を受診した他の心内奇形を伴わないVSD474例について検討した.
症例は年令とともに減少し, 35才以上になると7例(1.5%)と極めて少なかつた.
全症例中, 手術をした130例を除き, 更に1年間以上Follow-upできた186例にわける自然閉鎖について検討した.
自然閉鎖した症例は17例(9.1%)であつた. が初診時年令が1才未満の症例では36例中7例(19.4%)に自然閉鎖をみた. 自然閉鎖時年令は17例中11例(64.7%)が5才未満であつた. が一方, 15才で自然閉鎖した症例もあつた. 従つて成人以後でも自然閉鎖する可能性がある.
軽症のVSDは, 小児期に自然閉鎖する可能性が高いので, VSDの手術適応を決定する際, その自然歴を常に念頭において行われなければならない.
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© 一般社団法人国立医療学会
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