医療
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赤血球凝集反応によるαフエトプロテインの測定法の検討
沓掛 伸二近藤 哲理安部 明郎島野 毅八郎
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1977 年 31 巻 3 号 p. 273-276

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抄録
赤血球凝集反応(HAR)を利用したαフエトプロテイン(AFP)の測定法を検討するために, 肝細胞癌や他の種々の疾患患者の血清や腹水のHARによるAFP値をRadioimmunoassay (RIA)によるそれと比較した. RIAによるAFP値100ng/ml以上の検体で, HARでAFPは検出可能で, HARとRIAによるAFP値は, 全く一致するとはいえないが, 強い正の相関があつた. 特異性に関してはHBs Ag陽性, RA因子陽性, CRP陽性, 高蛋白血症, 高γグロブリン血症, 高血糖などの条件では偽陽性は出現しなかつた. HARは他の簡易的AFP測定法に比べて, 感度, 特異性ともに高く, AFPのスクリーニングテストとしてはすぐれた検査法と考える.
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© 一般社団法人国立医療学会
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