医療
Online ISSN : 1884-8729
Print ISSN : 0021-1699
ISSN-L : 0021-1699
被膜下前立腺摘除術, 特に恥骨後式前立腺摘除術の経験
井田 時雄村山 鉄郎
著者情報
ジャーナル フリー

1977 年 31 巻 7 号 p. 686-691

詳細
抄録

国立熱海病院泌尿器科において, 1969年から1975年までの7年間に101例の被膜下前立腺摘除術を経験した.
今回101例の前立腺摘除術に関して臨床統計的観察ならびに若干の文献的考察を加えたので報告する.
101例の手術々式は恥骨上式前立腺摘除術8例と恥骨後式前立腺摘除術93例よりなる. 年令分布は58才から87才までに及び平均71.4才であつた. 手術の絶対的適応としての完全尿閉は67例(66.3%)であり, 摘除腺腫重量も平均46.6gであつた.
術後の合併症は43症例, 53症状にみられ, 創部感染に伴う創部治癒遅延や創部〓開が多く, なかでも衛後の尿路感染症はほぼ100%にみられ, その起炎菌もProteus, Pseaadomonasなどのグラム陰性弱毒・変形菌によるものが多くみられた.
潜在癌は5例であり, 死亡例は3例(2.9%)であつた.

著者関連情報
© 一般社団法人国立医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top