抄録
甲状腺癌の転移の検出や治療経過をみるには, 131I-iodide, 201Tl-chloride, 67Gacitrate, その他の臓器スキヤン用剤を用いて, 多核種シンチグラフイを行うことの必要性と有用性を2症例を通して呈示した.
特に, 症例1では, 多発性肺転移に131Iがuptakeされないにもかかわらず, 201Tlがびまん性に著明に集積したことが注目された. 症例2では, 131Iをuptakeした骨転移とuptakeしない骨転移があり, 131Iが大量投与され, 外照射や5Fu投与1年後に再燃し, 131Iや201Tlのuptakeは認めないが, 骨スキヤンではいぜんとして著明な異常RI集積が認められた.