医療
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腎炎病状のみが前景に現れた無疹性全身性エリテマトーデスの2症例
山崎 昭福村 基紀後藤 慎一島野 毅八郎
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1978 年 32 巻 11 号 p. 1343-1348

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抄録
Hargravesの発表したLE因子や抗核抗体の検査の進歩に伴い, 全身性エリテマトーデスの診断は容易になつたが, 種々の自己抗体のある疾患で, 多彩な多臓器症状を呈し, それが増悪と寛解を繰り返すので, MRC, A. R. A. Stevensなどが提唱した診断基準が多くある. しかし無疹性のものはやや診断がむつかしく, ことにここに述べる2症例のごとく腎症状のみが前景に出ている全身性エリテマトーデスでは十分に注意しなければ見のがす危険性が多い. この場合ITP, 肝症状などの場合と同様に腎症状のみが前景に出ていても, 家族歴, 既往歴のほか臨床病状に注意することが早期の診断に必要であることを強調したい. そしてその観点に立つて治療することが十分に予後に関係することを述べ, かかる異型の症例が少なくないものと考えて, ここに報告する.
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© 一般社団法人国立医療学会
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