1958年, 中国において最初の鍼麻酔に成功をおさめた. 従来の鍼治療が術後の疹痛の緩和や術中の疼痛の軽減に役に立つということから, 鍼による麻酔が実用化出来るのではないかと研究され, その成果が得られた.
初期のころは, 抜歯や扁桃の手術に用いられ, 1960年には胸部外科にも応用された. 文化大革命前には, これは非科学的で実用には供し難いとしたが, 革命後は認識を改められて発展し, 現在では約250種の手術に応用されている.
私共の病院では, 約2年間に100例の鍼麻酔による抜歯を経験した. その成績は, 59例が鍼麻酔のみで抜歯可能であり, 完全無痛のものはそのうち30例であつた. 術後の葵痛を訴えたものは3例にすぎず, 術後出血の5分以内に止血したものは94例であつた.