医療
Online ISSN : 1884-8729
Print ISSN : 0021-1699
ISSN-L : 0021-1699
妊娠初期の切迫流産に対するホルモン療法の検討
小池 達夫黒木 尚之安江 弘之
著者情報
ジャーナル フリー

1978 年 32 巻 2 号 p. 174-179

詳細
抄録
目的 出来るだけ厳しい基準を定めて症例を選び, Gestagen及びH. C. G. 療法の効果を比較した. 対象及びその条件 A) 入院管理した妊娠5~16週の症例77例 B) 一定の安静度をとらせ, C) 子宮出血が必ずあり, D) 頸管の開大がなく, E) 入院後3日以内の流産例は除外 F) 入院時尿中HCG 2iu/ml, Pregnanediol 1.5mg/day以下と共に低値のものは除外 G) 尿中HCG 8iu/ml以下のものは再検を繰り返し, その後下降または上昇しないものは除外. 治療法HCG療法5,000~10,000iu/日 7~10日間投与, Gestagen療法17α-OH-progesterone capronate 125~250mg/回 3~4日に1回投与. 効果判定基準 一次効果あり:治療開始後10日以内に止血, その後7日間以上症状ないもの. 二次効果あり:治療後1ヵ月以上妊娠の継続確実なもの. 結果 一次効果では対照61.3%, Gestagen 66.7%, HCG 59.1%とややGestagenが有効だが, 二次効果ではそれぞれ70.9, 70.8, 68.2%と差がなく平均70.5%の有効率であつた.
著者関連情報
© 一般社団法人国立医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top