1950~'74年の25年間の帝切例は17,811総分娩数のうちPorro手術65例を含む1445例, 率は8.11%で, 5年間毎では4.6%~12.5%の変動があつた. 母体年令では40才以上30.2%, 30~39才13.3%の群にそれぞれ高率で, 初経産別では初産9.3%, 経産6.8%, 児体重では4,001g以上17.2%, 1,501~2,000g 13.2%の群にそれぞれ高率で, 1960年以降では前記の2群が高い推移を示した. 適応の頻度の順では既往帝切25.6%, 胎盤異常7.5%, 胎位胎勢異常6.6%, 性器合併症4.9%, 中毒症4.8%, 回旋異常4.8%などで, 適応の推移では既往帝切の増加, 高年初産の減少が目立つた. 帝切時麻酔法の推移では当初, 局麻静麻の併用から漸次脊麻が増加し, 1965年以降では吸入麻酔が専ら使用された. 修正による児死亡率並びに帝切児死亡率はそれぞれ0.74%; 1.8%で死亡率の推移では著しい減少の一途をたどり, 1970~'74年のそれぞれの死亡率は1950~'54年の1/9, 1/10に著減した. 母体死亡は4例(0.22%)であつた.