医療
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聴覚系に関する基礎問題
野村 恭也
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1978 年 32 巻 6 号 p. 693-698

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抄録
聴器を外耳, 中耳, 内耳, 蝸牛神経にわけて, それぞれの形態と機能について述べた. 哺乳動物の聴器は複雑であるが系統発生的にみると単純な半規管から発達し現在に至つた過程を知ることができる.
動物の聴器に共通したものは内耳における有毛細胞であり, これによつて内耳液の振動が生物電気的過程を介して蝸牛神経の興奮へと伝えられる. 外耳, 中耳は内耳に効果的に音圧を増強する作用がある.
ヒトにおける感音性難聴の病態は走査電顕による観察により解明されつつあり, その例として聴毛の病変を示した.
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© 一般社団法人国立医療学会
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