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再治療肺結核患者に対するTuberactinomycin-N (TUM-N)の治療効果及び副作用
国立療養所東北地区共同研究会松田 徳山形 豊
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1978 年 32 巻 9 号 p. 1114-1119

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抄録
Tuberactinomycin-Nは, 抗結核菌作用を有し, 他の抗結核剤に比較して, 副作用殊に聴力障害は少なく, 一次, 二次抗結核剤を使い果した場合, RFPとの併用薬として使用され得ることが報告されている.
東北地区国療10施設に入院中の再治療患者77例に対して, 1日1g筋注, 最初3ヵ月間毎日, 以後週2回実施し, 6ヵ月間検討したので, その成績を報告する.
治療6ヵ月目の喀痰中結核菌の陰性化率は準単独群とみなされるものでは, 48例中9例(18.8%)であり, 胸部X線の基本病変の軽度改善率は65例中8例(12.3%)である.
副作用のため中止した例は, 7例(9.1%)であり, そのうち, 耳鳴り3例, 聴力低下, めまい, シヨツク様症状, 発疹各1例であつた. 聴力低下者及び老令者にも, 継続使用可能であると考えられる.
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