抄録
5年間(昭和38年から42年)に北海道の主要外科施設(延べ349施設)で手術した合計8453例の胃癌症例を北海道がんセンター外科が集積して統計的に検討し全国集計と比較した.
切除率(平均794%), 全剔率(平均17.5%), 早期癌の割合(平均18.7%), 理想的な再建法であるBI吻合の割合(平均42.4%)については5年間で徐々に良い方に向つている結果を得た.
また, 全国集計の結果に比較するといずれの因子でも若干低率を示したが, 全国集計に参画している施設がいずれも規模の大きなところである点を考慮するならば, 今回集計した北海道の症例は, 決して, レベルの低いものでないと考えることが可能であつた.