医療
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ドウシアンヌ型筋ジストロフィーにおけるX-linked heredityについての疑問
山田 満
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1981 年 35 巻 4 号 p. 363-366

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抄録
いとこ婚を主とした多くの家系図的な検討と, 母のみならず父, 兄弟, 姉妹における保因検査の結果からProbable, Definiteの家系では, 母側に濃厚な保因が多いけれども, 大なり小なり父側の関与もあるのであつて, 父側の保因の方がむしろ濃厚な場合もあり, Possibleの家系では父母ほとんど同等に関与しており, 父母両者相まつて患児は1人ないし2人以上に発生する. そしてYにおける保因と考えなければ男性患児の多いことを説明することはむずかしく, もし父のXYのXに保因があれば母のX保因とでXXの女性患児が生まれるが, XYよりもXYが頻度が多いために男性患児が圧倒的に多くなると考えるのである. 従つてこの遺伝はX-linked RecessiveのみならずYの関与も考慮しなければならない. 5世代にわたつて男性により保因されてきたと考えられる家系もみられるのである. また患児の兄弟にも姉妹と共に保因検査で異常が多く, 男性の保因があるとすればYになければならないと考えられる.
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© 一般社団法人国立医療学会
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