抄録
第1報にひきつづき, 今回は国立大蔵病院で出生した外表奇形のない出生時体重2,500g以上の満期新生児279名について, 母親の詳細な栄養調査と病歴を, 分散分析を用いて解析した. 母親のアルコール摂取と児体重の関係について, 妊娠時期を問わずアルコール摂取頻度の高い群に正常の範囲内ではあるが体重の小さい児(SFDの意ではない)が多かつた. 摂取量に関しては, 結婚前に摂取量の多い群に体重の小さい児が多く, 妊娠後期に摂取量の多い群に正常範囲内での体重の大きい児(LFDの意ではない)が多かつた.
以上より少量のアルコール摂取によつても児の発育に影響を与えることが判明した. その他, 栄養嗜好品, 喫煙についての調査も行つたので, その結果もあわせて報告した.