抄録
国立呉病院において, 1970年より1979年までに治療した子宮体癌37例について検討した. 0期を含む全子宮癌559例に対する体癌の頻度は6.6%であるが, 1970~71年には3.9%であるのに対し, 1978~79年には11.6%と直線的に増加している.
平均年令は58.8才で50才以上が86.5%を占める.
臨床進行期は0期1, Ia期17, Ib期9, II期4, III期4, IV期2である. 組織型は腺癌32, 腺棘細胞癌3, 腺扁平上皮癌1, 異型増殖1である.
治療は手術療法を主とするもの32, 放射線療法を主とするもの3, 化学療法のみのもの2で, 0期を除く5年生存率は92.9%である.
筋層浸潤, 頸管侵襲, 子宮外蔓延, 予後などの間の関係についても検討を加えた.