医療
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頸部硬膜外麻酔を主体にした約200症例の検討
―心臓外科, 肺臓外科手術―
仲野 義康
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1982 年 36 巻 11 号 p. 1105-1110

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抄録
頚部硬膜外麻酔では, 血圧は軽度の下降を認めるが, 脈拍数の有意なる減少がある. Rate-Pressure Productを低下させる. すなわち心負荷を減少させる傾向を認める. 我々は心臓外科手術48例, 肺外科手術100例に応用した. 心疾患では, 人工心肺回転まで, 循環系の安定を. 更に, 心蘇生においても良い結果を得た. 肺外科手術では, 高令者, 低肺機能の症例において, 手術終了時の輸血量バランスは負に保ち, 輸液量バランスを+1500ml以内に保ち, 良好なる結果を得た.
高令者では, 麻酔を浅く保つことは, 術後のボケの発生を予防すると考える. 術後の肺合併症に対しても頸部硬膜外は有効に作用する.
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© 一般社団法人国立医療学会
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