医療
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肺過誤腫の臨床病理学的検討
木村 荘一久保 秋夫森田 敬知稲垣 敬三荒井 他嘉司平田 正信大谷 直史鈴木 俊光井上 皓松田 美彦田島 洋
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1982 年 36 巻 4 号 p. 347-351

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抄録

我々の施設において昭和49年以来8例の肺過誤腫を経験しているので, それらについて臨床および病理学的検討を行つた.
症例の内訳は男性5例, 女性3例である. 年令は32才から62才の範囲にあり, 30才代, 40才代に多発している. 発見動機は集検4例, 胃透視中に発見されたもの1例, 血痰, 胸痛, 肺炎などの呼吸器症状より見いだされたもの3例である. 腫瘍の局在部位は右側7例で, 特に右下葉に多発している. 肺野型7例, 気管支型1例で, 肺野型の腫瘍陰影の性状は周囲との境界は鮮明で, 均等性で, 辺縁が凹凸不平なのが4例, 平滑なのが3例であり, 内部に石灰沈着が認められたのは2例であり, 大きさは最小1.2×0.9cm, 最大14×12cmである. 病理組織学的には軟骨性のもの7例, 非軟骨性のもの1例で, 非軟骨性のものは有茎状に発育していた. 更に肺過誤腫では珍しい巨大肺過誤腫, 気管支内過誤腫, 有茎性非軟骨性過誤腫の3症例を提示した.

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