昭和53年より, 肺癌を疑われBFSを利用して経気管支肺生検(TBLB)および擦過細胞診(Brushing)を施行したのは112例である. 肺疾患におけるBFSを利用したTBLB及びBrushingの意義につき検討した.
1)胸写上, Coin Lesionを呈する疾患は, TBLBで53%, Brushingで83%診断できた.
2)扁平上皮癌は, TBLBで88%, Brushingでは病巣部位, 腫瘍径に関係なく100%診断できた.
3)腺癌はTBLBで68%, Brushingで96%診断でき, 腫瘍径が3cm以上の時, Brushingで診断できるが, 腫瘍径が3cm以下になると, 病巣部位によつて診断率が異なる.
4)胸写上, 浸潤型の肺胞上皮癌は, TBLB, Brushingで100%診断できる.
5)初回発生例の結核腫の場合, 腫瘍径が2cm以上になるとBrushingで結核菌を証明でき, 乾酪壊死物質が排出されるため, 陰影も早期に消失することが多い.
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