現時における温泉療法の意義を確立するために, 全国15の国立温泉病院患者の温泉療法に関する実態及び意識調査を行つた. 患者総数3309名中, 温泉療法患者は1106名, 33.4%であり, 870名78.7%の回答率である. 870名中, 50才以上が62.7%, 70才以上が16.4%を占める. 「疾患別ではリウマチ256名, 脳卒中211名, 合わせて53.7%を占める.」これらの対象疾患をみても, 我が国の温泉療法は運動障害のリハビリテーシヨンの一環として行われている. 温浴療法では運動浴, ババート浴, 泡沫浴の順に多いが, 鉱泥浴は2施設, 飲泉は1施設のみである.
温泉療法に対する患者の評価は, 有用が78.3%, 無効が5.9%, 不明が15.9%である.
その他, 満足度, 入院動機, 症候別評価, 湯あたり, CMI調査も実施した.
温泉療法は, 他の療法の支持的療法として, 慢性疾患々者に大いに愛好される療法であり, 温泉病院の存在価値の大きいことを確認した.