抄録
germinomaの診断と治療はこの数年間に全く様相を一変し, その進展は著しい. 近年, CTの導入以来Germinomaはかなり容易に診断可能となつたが, 必ずしも, これら術前検査のみでは十分でない. またgerminomaは照射療法のみにとどめる例が多数みられるなかに, 再発ないし転移を来す症例も報告されている. ところでgerminomaを含めたgerm cell tumorの概念が取扱われ絨毛癌との混在型もあり, HCGやAFPなどのtumor-markerを一つのめやすにしながらできるかぎり摘出術を試み, 臨床の立場と病理組織像の対比の検討が望まれる.