1983 年 37 巻 1 号 p. 27-33
15例のglioblastomaのうち1例及び34例のmeningiomaのうち1例につき, 腫瘍別出時, 腫瘍の周辺部, 辺縁部, 中心部と順次標本を採取し, flow cytometry (FCM)及び光顕(LM)について部位別に検討した.
glioblastomaのDNA量histogramでは, 腫瘍辺縁部でG2+M期の細胞が多くみられ, 増殖力が最も高いと考えられた. 腫瘍の周辺部では, DNA量histogramで2C, 4Cに2 peakを示し, LMでも脳浮腫と共に腫瘍細胞の浸潤がみられた.
meningiomaでは, 辺縁及び周辺部とも腫瘍細胞の増殖パターンは類似していた.
FCMにより腫瘍の部位別増殖動態が把握でき, 今後臨床的に広く応用しえると考えられた.