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肋骨が原発の軟骨肉腫の1剖検例
大山 廉平橋本 敏夫佐藤 正典前田 耕太郎富田 涛児西田 一已
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1983 年 37 巻 3 号 p. 305-310

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抄録

軟骨肉腫は1930年Phemisterの報告以来, 多くの報告を見るが, 肋骨が原発の症例は少なく, 本邦では10例に過ぎない.
自験例は49才女性であり, 胸部異常陰影, 右下胸壁腫瘤を主訴として来院した. 肝転移あるいは肝への直接浸潤が疑われたが, 肺への転移が著明となつたため, 外科的治療は断念され, 局所の生検により, 軟骨肉腫の診断を得るにとどまつた. 治療として, 放射線治療, 化学療法を行つたが, その効果は見られず, 初診時より4ヵ月にて, 肺及び脊柏転移による両側下半身麻痺を来し, 死亡した.
本疾病に対する治療は, 外科的治療が第一とされているが, 切除不能例に対する治療法は, 放射線及び化学療法が残されるだけである. しかも, そのいずれも有効なものとは言い難く, 根治的切除術がなきれないかぎり, その予後は, 不良である.

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