医療
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国立療養所における骨折の疫学調査
国立療養所中央協同研究骨・関節疾患研究会
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1983 年 37 巻 3 号 p. 311-316

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抄録

昭和55年1月1日より同56年10月31日までの1年10ヵ月間に国立療養所別記10施設で扱つた骨折例を調査した. 総数は1154例, 男674例58.4%, 女480例41.6%であつた. 年令では青壮年令が504例43.7%と多い. 10才以下は127例11.0%, 60才以上の老人は324例28.1%である. 青壮年令の骨折は労災事故, 交通事故など比較的大きな事故によるものが多く, したがつて脊椎, 大腿骨骨幹部骨折が大半を占める. 老人は転倒による骨折が主で, 大腿骨頸部骨折が圧倒的に多い. 最近スポーツ外傷が注目され, 本調査でもスポーツ外傷としての骨折が139例12.0%にみられ, しかも広い年令層に発生している. 707例61.3%が非観血的に治療している. 一方, 老人骨折を代表する大腿骨頸部骨折は75.7%が観血的に治療している. 治癒退院例が698例60.5%である. 死亡は12例1.0%で, うち10例は60才以上である.

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© 一般社団法人国立医療学会
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