Goldenhar症候群はOculoauriculovertebral dysplasiaとの別名でも記される,目・耳・脊椎の何らかの奇形をもち, 加えて顔面の非対称性低形成を合併することがある一つの症候群とされている. しかしmandibulofacial dysostosis, hemifacial microsomiaなど, その他これらに関連する類縁疾患, 症候群の間の明瞭な境界はないように思われる. 私共はこれらの関連疾患を今のところいわゆるGoldenhar症候群としてまとめることがのぞましいことを記した. この症候群の新生児, 乳児期の剖検報告はほとんどみあたらない.
私共は生後2カ月及び3日で死亡した女子剖検例を症例提示して, 病理解剖学的に腎皮質嚢腫, 卵胞腫大, 膵ラ氏島腫大増生, 胸腺退縮などが共通してみられたことを述べた.
また第2例の第IV脳室壁のdermoid cystを1360gの新生児に認めたことは極めて興味ぶかいことであつた.