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破裂脳動脈瘤非手術例の検討
園部 真高橋 慎一郎桑山 直也杉田 京一
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キーワード: 脳動脈瘤, 非手術例
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1984 年 38 巻 11 号 p. 1046-1049

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抄録

202例の破裂脳動脈瘤のうち, 40例の非手術例について検討した. 非手術群の平均年令は, 手術群に比べて有意差を持つて高年令であり, 70才以上の患者についての手術適応には慎重であるべきである. 椎骨-脳底動脈系の動脈例は7例(15%)と多くなつている. 椎骨動脈瘤は, 付近の穿通枝動脈も少なく, 今後は急性期に根治術もやつていきたいと思つている. 一方, 脳底動脈瘤の場合は穿通枝動脈も多く, 急性期に厚いくも膜下出血腫の中での手術はさけるべきである. 発症後24時間以内に当施設に担送されてきた症例の中には, CT gradeが悪かつたり, 脳出血や硬膜下血腫を持つているものが多い. しかし, 24時間り上経過してから担送されてくるものの中には, CT gradeも軽く, 意識良好なものもあつたが, 血管写上, 血管れん縮が認められたため適応にならなかつたものもある.破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血後に, できるだけ早く, 脳外科専門医のいる病院に担送きれるべきである

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