昭和55年度からはじまつた国立精神療養所共同研究「小児分裂病の精神医学的研究」は, 3年間の研究期間を終了した. この第1年度(昭和55年)には, 参加9施設の最近5年間の15才までに発病した小児分裂病の実態調査(149例)を行い, その発病・症状・経過・予後に関する研究, 第2年度(昭和56年度)には, 10才以下発病の小児分裂病の特徴と, 小児分裂病に対する治療とケアに関する研究, 第3年度(昭和57年)には, 16~18才発病の若年性分裂病について, その発病・症状・経過, とくに10年後の予後について研究が行われた. それぞれの年度の結果については, 研究成果報告書(内容は文末に記載)を毎年印刷し刊行したが, ここにその大略を述べる.