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結核の社会的特性
大島 実
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1984 年 38 巻 4 号 p. 400-404

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抄録
結核患者のもつ社会的問題を知るため, 昭和46年と昭和57年に実施した2つの調査成績を比較した. その結果次の3つの傾向が指摘される.
1)初回治療では, 復職率が高く, 経済的, 家庭生活の変動は少ない.
2)長期慢性患者では単身化, 生活保護受給, 復職困難, 将来の生活の見通しが暗いなど, いまだに従来の結核の特徴をもつている. 多くは呼吸不全を合併し, 高年令で5年10年の長期入院となり, 持続排菌例とともに疾病による生活上の影響をもつとも強くうけている.
3)初回治療でも, 不安定就労者, 合併症ある者, 高令者では慢性の経過をとる. 病気になる前の生活が不規則であり雇用が不安定なものでは, 社会復帰に際しても問題が多い. アルコール依存症, 重症化後の入院では長期慢性化しやすく, 合併症をもつ高令者では家族から疎外される場合が少なくない.
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© 一般社団法人国立医療学会
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