医療
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麻酔中のモニター
岸 義彦奥村 福一郎
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キーワード: 麻酔, モニター
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1984 年 38 巻 7 号 p. 672-677

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抄録

麻酔中の患者管理において的確な病態把握や治療効果の判定にはモニターが必要である. しかし一つのモニターで患者の病態生理を把握できるものはなく, いくつかのモ三ターの組合せによらねばならない.
侵襲性のあるモニターは非侵襲性のものより信頼性が高いため, しばしば用いられるが, 合併症を併発する危険性を伴う. したがつてその使用に際しては, 患者の術前評価と手術侵襲の大きさを考慮に入れて慎重に決定する必要がある.
我々の現在行つている循環系モニターとしては, 心電図, 観血的動脈圧, 尿量, 中心静脈圧, Swan-Ganzカテーテルによる圧, 心拍出量, 中枢温, 末梢温, 電解質, 血液ガスなどがある. ま、た空気塞栓のモニターにはDoppler音, 呼気終末炭酸ガス濃度, 肺動脈圧, さらに経食道心エコー図を用いている. 中枢神経に対しては脳波と内頸静脈のガス分析を行つている.
それらのモニターの意義と臨床使用の適応について述べた.

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© 一般社団法人国立医療学会
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