医療
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クローン病の2例
―下血を主とする1例と内瘻を伴う腫瘤形成型の1例―
隠岐 公二鳥山 皓大藪 久則
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1985 年 39 巻 10 号 p. 879-882

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抄録
我々は, 最近若年者のクローン病を2例経験した. 症例1は下血と貧血を主訴として来院. 注腸透視と大腸フアイバーの所見より, クローン病の診断のもとに, 回腸末端を含めた結腸右半切除が施行された. なお剔出標本にてcobblestone appearanceが認められ, 組織学的に非乾酪性肉芽腫が証明された. 症例2は, 下腹部腫瘤と腹部の激痛を主訴として来院. 限局性腹膜炎の診断のもとに緊急開腹術を施行したところ, 回盲部は肥厚し, 回腸は互いに瘻孔を形成して一塊となつていた. ここではじめて, 内瘻を伴う腫瘤形成型のクローン病が疑われ, 回腸末端を含む結腸右半切除術が施行された. 剔出標本にてcobblestone appearanceが認められ, 組織学的に非乾酪性肉芽腫が証明された.
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© 一般社団法人国立医療学会
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