医療
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イレウス症例の臨床的検討
山中 剛奥村 恭久松村 敏則南曲 尚福本 勝也吉仲 一郎
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1985 年 39 巻 10 号 p. 891-894

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抄録
国立都城病院外科における, 昭和48年から10年間の機械的イレウス症例は257例であつた. 単純性イレウスが225例(87.5%), 複雑性イレウスが32例(12.5%)であつた. 単純性イレウス225例中癒着性イレウスが205例(91.2%)と大部分を占めた.
既往手術の内訳は, 胃切除, イレウス, 虫垂切除の順であつた. 手術既往のない症例では腫瘍性のイレウスが約半数を占めていた. 手術的に解除を要したのは単純性イレウス225例中64例(28.4%), 複雑性イレウスは32例全例であつた.
手術内容は単純性イレウスでは癒着剥離が30例(46.9%)と多いが, 腸切除を要したのが14例(21.9%)もあつた. 複雑性イレウスでは18例(56.2%)に腸切除を要した. 初診より手術までの期, 間は単純性イレウスでは即日より5日目までにほぼ均等に分布し, 複雑性イレウスでは即日から1日目までにほぼ半数が手術された. 死亡例は7例(2.7%)で, 死因は敗血症が多かつた.
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