医療
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新抗菌物質Ofloxacin(DL8280)の肺結核に対する治療効果
天野 博史吉井 才司東村 道雄安田 行信中村 栄一秋山 三郎柳瀬 正之
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1985 年 39 巻 12 号 p. 1100-1106

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抄録

新抗菌物質ofloxacin(DL8280)の肺結核に対する治療効果を検討した. DL8280の投与の対象となつた19名の患者は全部が硬化巣中空洞または硬化壁空洞を有する陳旧肺結核を有し, 多剤耐性結核菌を排出していた. DL8280は1日量300mgで1回に経口投与し, 6~8カ月続けた. 併用薬剤は既に耐性となつた抗結核剤を用いるか, またはDL8280の単独投与とした. DL8280の投与により, 3名の患者で直ちに排菌がとまり, 他の2名では3カ月に排菌がとまつた. 菌が陰性化しなかつた症例では, 投与第3または第4ヵ月にDL8280耐性結核菌が出現した. 副作用は特になかつた. 以上から, DL8280は肺結核の治療に有効な薬剤であると考えられた

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